動いているのか? 止まっているのか? その境界線ギリギリのデッドスローで、クランクベイトを巻いたときに爆釣することがある。わずかなリトリーブ速度の違いが、釣果を明確に隔てる『巻き速度』の世界へご案内!

【Profile】
荒川通(あらかわ・とおる)
エリア業界を牽引する若きスピードスター!
ヴァルケイン・プロスタッフ。東レ・フィールドテスター。斬新な発想と攻撃的釣りスタイルで、エリア業界のトップを疾走するスピードスター。奥深い巻きスプーンの世界に傾倒する一方、革新的なボトムプラグの釣りも愛する。そんな優れたバランス感覚が高く評価されている。
スローリトリーブ主体のエリアクランキング!
ブラックバスと比較すると、エリアトラウトのクランクベイトのリトリーブ速度は圧倒的に遅い。その平均速度はハンドル1回転約2秒間(DAIWA2000番台ノーマルギアの場合)。つまり1秒間でハンドル半回転が目安。
荒川「2秒間で1回転の巻き速度が、エリアトラウト×クランクベイトの基本的なスピードになります。そして最も釣れる確率が高い速度です。ヴァルケイン製のクランクベイトは、全タイプこの速度域でキレイに動くようにセッティングされています」

しかし1回転2秒間の巻き速度は、あくまでも平均に過ぎない。放流されてから長時間経過したトラウトは、ルアーを追う距離が短くなる。そんなトラウトを狙うときには巻きスピードも遅くなる。
荒川「ゆっくり巻く場合の平均は、ハンドル1回転4秒が目安です。状況によっては1回転5秒という超デッドスローが効くときもあります」
スローに巻くとアピール力が抑えられるので余計なプレッシャーを与えずに済むが、その一方でトラウトにルアーをしっかりと見られてしまうため、見切られる要素にも繋がっている。
荒川「スローに巻いても、見切られる要素を減らすためには、シルエットを小さくする手法があります。ですが、スローでシルエットも小さくすると、トラウトを呼び込む力も弱くなる。必然的にピンポイント攻略になります。もちろんこの条件が抜群に効くときも多いです。そして状況によっては、スピードは遅いほうがいいが、アピール力は強いほうがいい場合もあります」

平均よりもスローが効くことがあるように、平均に対してファストリトリーブが効くこともある。
荒川「平均よりも速い場合の、巻き速度の目安はハンドル1回転1秒です」
わずかなスピードの違いが、釣果を根本から支配する。それほどまでにエリアトラウトのリトリーブ速度は重要。今月はクランクベイトの個性に応じた、的確なスピード調整の方法論を解説。
荒川「速度に応じて、クランクベイトを使い分けるだけで、驚くほど釣果がアップします」

クランクベイトを巻く速度を覚えよう
まず覚えることは、クランクベイトを巻く速度。標準的なタックル例としてノーマルギアのDAIWA2000番リールを使う場合は……。
- 使用リール例:DAIWAスピニングリール2000番台
- 使用リールギア:ノーマルギアの場合
- ハンドル1回転の糸巻き量:65cm
この場合、巻き速度の基本は2秒間でハンドル1回転。1秒間なら32.5cm。なるべくムラなく一定に巻きましょう!
スピードとはすなわちアピール力

エリアトラウト用クランクベイトは用途ごとに巻き速度が違います
ヴァルケイン製のクランクベイトはハンドル1回転1~5秒の速度域に 完璧に対応したルアー。その中でも、さらに輝く速度域がある。

よりスローに巻きたいとき! ハンドル1回転約4秒の世界♪
スロー×ローアピール
スロー×弱アピール系ルアーは、実は高速でも輝く!
荒川「ヘイズはゆっくり巻いても、速く巻いても暴れないクランクベイトです。特にゆっくり巻いたときには、ヘイズ特有の弱々しさが際立ちます。タフな状況下で口を使わせることが得意なルアーです。クーガナノはシルエットが小さいので、テッドスローで巻いたときに究極のローアピール系クランクになります。ですが特筆すべきは、クーガナノ。実はハイスピードで巻いても爆発することが多いことです」
スロー×ハイアピール
強さのタイプが全く違う
荒川「スローに巻いても、強いアピール力があるクランクベイトです。ですが強さのタイプは違います。WW(ワイドウォーク)は、動き自体が大きい。ゆっくり巻いてもボティを大きく振ってアピールします。ディメンションはボディを振る速度が速い。イメージはバイブレーションに近いです。同じスロー×強アピールでも個性はかなり違います。釣れるトラウトのタイプも違います」
より速く巻きたいとき! ハンドル1回転約1秒の世界♪
ファスト×ハイアピール
ファスト×ミドルアピール
ファスト×ローアピール
荒川さんの使用タックルデータ

その1
- ロッド:ブレイクスルーゼロヴァージ6’2ISS-UL(ヴァルケイン)
- リール:18イグジストLT2000S-P(DAIWA)
- ライン:トラウトリアルファイターフロロ2ポンド(東レ・モノフィラメント)
その2
- ロッド:ダーインスレイヴ 6’2Is-ML(ヴァルケイン)
- リール:18イグジストLT2000S-P(DAIWA)
- ライン:トラウトリアルファイターフロロ2ポンド(東レ・モノフィラメント)
【取材協力】フィッシングパーク アルクスポンド宇都宮
コンディション抜群のトラウトが、ネイティブさながらの強烈なファイトで出迎えてくれる。アベレージサイズが大きい上に数釣りも満喫できる。モンスタークラスの超大型トラウトも豊富なので、エキスパートからファミリーまで楽しめる。
『ルアーマガジン』最新情報
『ルアーマガジン』2022年3月号は1月21日発売!

『ルアーマガジン』2022年3月号
新年1発目のルアマガといえばタックルオブ・ザ・イヤー! 2021年に読者の皆さまが心を寄せた、リアルガチな人気釣具が発表されるわけです。
表紙に載っているアイテム、全てわかりますかね? どれも人気かつ話題になったアイテムですが、各ジャンルの1位以下から見るトレンドの変化にも注目ですよ~。
●発売日:2022年1月21日
●定価:990円(税込)
からの記事と詳細 ( エリアトラウトの釣れるクランク巻き速度をタイプ別にご紹介【マスナビV】 | ルアマガ+ - ルアマガ+ )
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