
大胆なデザイン変更
2代目ホンダNSXのエピローグとして全世界で350台、国内ではたった30台が販売されるNSX タイプSは、ひと目見ただけで心奪われるシャープなエクステリア・デザインがことのほか魅力的だ。 なぜ、新しいタイプSはこれほど精悍に見えるのか? もともと2代目NSXのフロントマスクは、スーパースポーツカーの未来を示唆するようなデザインだった。ヘッドライト、フロントグリル、そしてチンスポイラーのエアインテーク部分をブラック一色で統一し、フロントマスクに大きなVの字を描き出したのが、そのコンセプト。しかも、V字型をした黒いベルトには微妙な曲線があしらわれたりして、これがまた未来的な造形美を醸し出していた。 いっぽうのタイプSは、ヘッドライトはヘッドライト、エアインテーク部はエアインテーク部と、機能ごとに形がはっきりと区別できるデザインにあらためられている。しかも、それぞれがシンプルな直線とシャープなエッジで構成されている点に大きな特徴がある。結果としてタイプSのフロントマスクは、ある意味で典型的なスーパースポーツカーの顔つきに生まれ変わったといえる。 ここで私がもうひとつ指摘しておきたいのが、新しいフロントマスクのデザインが2代目NSXのスタイリングにぴったりとマッチしている点にある。その理由がどこにあるか、お気づきだろうか? NSXタイプSのエクステリア・デザインを担当した原大氏は、「機能性の追求から辿り着いたデザインが、結果的にフローティング・デザイン(ボディから浮き上がっているように見えるデザインのこと)を採り入れたCピラー部分とイメージが重なる造形となったから」とその理由を教えてくれた。なるほど、2代目NSXがもともと持っていたモチーフをフロントマスクで反復してみせたのだから、似合うのも当然というわけだ。 こうしたデザインを作り上げるため、いわゆるフロントバンパー部分を全面的に作り直したというのだから気前がいい。しかも、ボンネットを前方に延長するような格好で取り付けられたボディパネルは、オリジナルデザインよりも幅広。この結果、ノーズはより長く、ノーズ先端はより低い位置に移動することになった。これにあわせて、従来はボンネット上にあったHマークを、いま説明したノーズ先端のボディパネルに移設するという芸の細かな作業まで実施されている。 リアデザインも大きく見直された。リアディフューザー部分の跳ね上げを従来型より大きく、そして幅広くするため、リアバンパーの造形を全面的に見直し、ダイナミックな外観と優れた空力特性を手に入れたのである。
からの記事と詳細 ( 最後のNSXに“タイプS”が投入された意味とは? 驚くほど手間が掛かった限定車に迫る!(GQ JAPAN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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